両隣りに人。地下鉄。私はバイト着のままでカイリー・ミノーグの甘ったれた声を聞きながら、腹部にたまって行く微かな痛みに揺られている。目の前に家族。老若男女。私は一人、空を見つめている。暑い。密度が責め立てる。空気が濃い。環境の変化に、適応して行くそうだ。人間は。本当にそうなんだろうか?暑い。人が多い。人が多い。