サロンパスの臭いが纏わりついて来るような、高級娼婦も真っ青になっちゃう部屋で私は微かに血の色した膨んだ脛を無意識に眺めて居る。こんな気分にさせるエイミー・ベンダーってどんなに素敵な人なんだろうとフィガロジャポンの去年の読書案内をペラペラめくって、彼女に突き当たる。でも心はアルマーニの特集で登場したケイト・ブランシェットの美しく透明で強い肢体と漆黒のドレスに吸い寄せられてしまった。私の感化はすぐに消えて行くものなんだと苦しみが押し寄せてしまう。きっとこういうものが、私の欠陥となっているに違いない。
昨日階段から落ちた時に打った足とか腕が熱を持ってところどころ無機質な白い四角が膨む真っ青を覆っている。私は何かを間違った。それが分からなくて泣きたくなる。空みたいにまるで瞳を曇らせて今に泣きそうな表情をしているのかもしれない。痛くはない。ただ青い気持ちが膨んで行くだけ。冷却しないときっとヒドいことになる。
きっとエイミー・ベンダーのせい。『燃えるスカートの少女』。真っ白い四角で覆われた若く苦い腫れ。