言葉の定義に敏感になっている。専制、独裁。律令天皇制を専制国家として扱うか、否か。専制国家、とは独裁国家とは違うのか。互換的に用いられることが可能なのか。ウェーバーに聞いてみなければならないか? ……勿論、定義は人によって違うだろう。だが、そんなに大切な言葉を勝手に取り扱って良いものか。勝手に解釈し直して良いものか? 私は詰まらない思考をしているか? 言葉はダダイズムの象徴だな。
 自由尊重主義の教授の憲法ばかり聞いていると、経済学とリンクした思考が非常に明快で気分が良いのだが、多分、その憲法は異端なのだとはっきり分かる。通説を痛烈に批判する彼を敬愛しているが、私のような付け焼き刃の憲法初学者にとってはあまりにも斬新過ぎるのかもしれない。ただ私は彼の憲法学しか知らないことに恐怖を抱く。彼の自由尊重主義はあまりにも明快で気持ちが良い。現状を覚めた目で見て冷めた意見を述べる。反乱軍に居ることの恐ろしさを思う、勝てば官軍…では負ければ?
 堅い思考で私自身に腹立つ。柔軟に言葉を用いることが出来ない。

 ゼミに憲法。私はいつから法学部生なのだろう?
(去年は怠惰な学生だった私へ。人間知らぬ内に成長しているものだ)