4日目 輪島→奥能登→輪島


 下時国・上時国(コチラが本家)両家の重要文化財などを見らねばならぬ、とウキウキして8時過ぎのバスに乗り、やっぱり日本海すごいなー綺麗だなー岩壁も棚田も海の青と空の青と田んぼの緑が凄く綺麗なコントラストでどうしたらいいのか、シャッターチャンスだと思いつつも、バスの中で、あまりはしゃぎすぎると酔うので冷静ににたにたしながら外を眺めていました。
 時国家は2つに分かれているのですが、分家した過程は嗣子争いにあったということで、思うけれど基本的にさ、養子を決めたすぐ後に、当主に子供が出来るのって、もうよくあるパターンですよね(日本での2代目は必ず盆暗だ、というようなことが言われるように)。そんなわけで時国家も分かれたらしいですが、つまらないのは一貫した時国家の歴史が語られていないことです。時国家の系譜がそれぞれ分かれているんですよね、あと、どちらも他方より優れている!という思いがあるのか、優位性を目立たせるような説明がありまして。う〜ん…どちらも重要な役割を担っていたんだからさ、と私は思うんだけれど。下時国家は庭(北陸?では土間をそういうようです)が広く、公的な役割を果たした部分もあるんだそうです(そこで年貢の徴収などを行ったそうですから)。あと、造りが珍しいらしく、上時国家は大納言の間などあったりして、どちらかというと貴族的?な造りの家でした。更に上時国家の庭は、えーっと豪農にしても凄すぎる、と思うくらいの回遊式庭園でした。一度、どちらも解体修復したみたいで、何かなぁ外装だけれど、ボロボロのままでも良かったのに、と思いました。
 輪島に一旦戻ろうとして、バスを待つが、3時間くらい待たなければならないという状況です。奥能登の素晴らしさはバスなどの公共機関の不充実だと思う。でもって短気の私は待てないので、上時国家から南志見まで歩く。1時間半。海ばかり見て歩いてました。黒島の町並みは能登金剛で見れるのですが、南志見でも規模は小さいが見れます。黒い屋根に黒い壁。瀬戸内海では赤い屋根だった、この差はなんなんだろう? 輪島の漆だろうか? 漆には防虫効果もあるようで、時国家の柱にも塗られていた。でこの辺の川は海から川に流れ込むというものもありまして、荻原規子『白鳥異伝』で小倶那くんが「川が逆流することもある」というようなことを言っていてこれをずーと覚えていたのですが、ああ、これかぁ!逆流する川!と思いました。本当は誰かに言いたかったんだけれど、大声にして言いたかったんだけれど、ずっと見たことの無かった逆流する川を見てやっと昇華する思いです。
 で、ドライブで奥能登を巡ります。珠洲まで馬蝶町から海岸沿いを離れて、下り、りふれっしゅ村まで行って珠洲焼堪能。黒くて綺麗でした。そこからは海岸沿いにドライブ。1人運転で地図を見つつ、狼煙まで上った頃、禄剛崎灯台に行きたくなって迷いつつも辿り着きます。

 水平線があんなにも明確に見えるなんて。しかも真っ青な空だったから、本当に海が切り取られてて、何だか変な感じ。
 やっぱり海沿いで海を見つつドライブして輪島に着く。竜ヶ崎灯台まで歩けるかな、と思っていたけれど、丁度落日時に輪島についたので竜ヶ崎灯台に着く頃には真っ暗。怖かったので上までは上れず。チクショー(というか、迷ったんだよね!また!)。
 まだ輪島大祭が続いているので、人々の流れから逆行して宿屋へ向かう。柚餅子買って漆器買ってその日は終了。この日も暑ぅございましたよ〜。