浅田次郎

 彼の作品は『鉄道員』しか読んだ事ないですが、『鉄道員』は泣きたい時に読むのが最適で、読み過ぎて幾つか話の内容を暗記している。『角筈にて』『うらぼんえ』『鉄道員』『オリヲン座からの招待状』ぐらいか。
 今日、『角筈にて』の映画が再放送であっていた。そろそろ再読すべき時期だなと思っていたので渡りに舟、と思い、見たら、例に漏れず号泣した。西田敏之、なんて演技をするんだ。徐々に表情が歪んでいく辺り、嘆息ばかり零れて涙が止まらなくなってしまった。っていうか、映画始まる前に『角筈にて』って言葉を見ただけで涙が出るってどういうこと(笑)末期だ。そして映画も素晴らしかった。元々余り原作を知っている映画を褒めることはないんだけど、今回の『角筈にて』の映画版は素晴らしい。原作は貫井恭一だけの物語だけど、少しずつ広がりを見せていて、周りにいる人々の悲喜こもごもが、更に貫井恭一の物語を厚くさせている結果になっている。コンタクトのシーンなんて泣いちゃったし…。他にも色々泣いた(笑)
 同じく『鉄道員』という短編集の中の一作、『オリヲン座からの招待状』が映画化したらしい。公開は11月。この作品も高校の時の初読から考えれば信じられないくらい好きになった。擦り切れた夫婦のもとに地元に昔からある映画館が閉館するというのでチケットが送られてくるという話。映画のフィルムを回すおじいさんの台詞で覚えているものも幾つかある。
 好きな作品だから凄く楽しみ。あんまり映画館好きじゃないけど見に行きたい!