.北村薫『街の灯』
昭和初期、戦前の東京が舞台の小説たちの、短編集。謎の女性運転手ベッキーさんと共に“お嬢様”である主人公・英子嬢が身近に転がる些細な謎から大きな事件へ発展するようなものまですぱっとすっきりと解決してしまう北村薫らしい話です。『円紫さんと私』シリーズ等々北村薫作品を読んできた私はこのほっこり心が温かくなるような話口調・全体の雰囲気等が大好きなのです。静謐な空間、春の陽気が全体に内包されていながらも、時折吹く寒い風が目を覚ましてくれる、そんな読了感です

街の灯 (文春文庫)

街の灯 (文春文庫)