了2

.川端康成『古都』新潮文庫
ドラマに映画になった有名な作品。あとがき、で康成はこのとき一種の危機を迎えていたと述べており、それを思い返してみれば、どうやら千重子の父親・太吉郎の隠居生活のシーンなんか、康成にそっくり、だな、と思えてしまう。戦後で60年代か70年代頃を背景としているらしいが余りにも鮮やかな桜の風景などから始まって、明治初期頃の話かと錯覚してしまっていた。幻想の世界みたいな、リアルさに欠ける話だと思った。

古都 (新潮文庫)

古都 (新潮文庫)